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不条理

.07 2020 エッセー comment(0) trackback(0)
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 皆さん、毎日をどう過ごしているのだろう。という何気ない問いかけをしてみて
何をしているかより、何を考えているかの方が実際は知りたいところですが、な
らばそれぞれを知ったところでどうなるわけでもない。だから、きっと日々のこと
を酒でも飲みながら話すうちに、少しは自分の中でもとりとめもない日々の雑念
がまとまってくれるのではないかと思ったりします。


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 1週間ほどまえ、会社の同期から同期会も開けないので、ZOOMを使ってオン
ライン同期会をやろうとの誘いが来ました。でもなんだか、いまいち興味が湧きま
せん。話したい人と電話で十分ではないのと思わないでもないのですが、長電話
というのも話があちこち飛んで詮無い気もします。


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 ゴールデンウイークが終わったものの緊急事態宣言が5月末まで継続と決まり
「ああ、もっとぼんやりしてていいんだ」とのんびり構えていたら、LINEで「今日の
合評会あるんですか?」と聞いてきた。慌てて、予定表を見たら、エッセークラブ
の合評会となっている。慌てて、図書館に電話すると「今日から普通通り、やって
ます」という。「会議室は借りれるの?」「換気とマスク着用と出席者の間隔をとっ
てもらえれば大丈夫です」という。慌てて翌週の12日の午後を予約し、LINEで
「今日は中止し、合評会は来週12日に延期します」。ため息をついていたら、Yさん
から電話「今月の読書会どうします?」もうこうなったら・・・「やろうやろう、16日
土曜日ね。テーマはカミュのペスト」とこんな具合にいきなり冷水を浴びて目が覚
めました。がこのテーマ「ペスト」の方なかなか読了できないでいる。連休中、まあ
いいかと久しぶりに昔風に好きな本を読みだしたらあっという間に読み終えた。
そうなのだ、本来私は文学作品なんかより筋書きの面白そうなものに興味を惹か
れるたちである。ところが読書会のせいでというかおかげでというか「読むべし」と
大上段で打ちかかってくる文学作品を苦しいと思いながらも読むようになった。
文学作品というのは重いし書かれた背景や内容に秘められた意味性に深みがあ
りやはり読後、出会ってよかったと思わせられるものが多い。今回の「ペスト」も難
解である。「100分de名著」のテキストを何気に読んでいたら、カミュの説く「不条
理の哲学」を作品化したものとある。


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 「世界の不条理」とは戦争、天災、ペストなどの疫病などなど、その世界の不条
理性に気付いた人間が、人間も不条理であっていいのではないかと、不条理を自
ら実践してしまうことがある。カミュの「異邦人」という別の作品はこの人間の不条
理を描きながらも自殺やニヒリズムに陥る一歩手前でどうにか踏みとどまっている
作品です。そしてその人間の不条理を一歩踏み込んでその不条理をどう乗り越え
て行くのかを群像劇として描いたものが「ペスト」という作品なのです。


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 ひょっとしたら今一番その「不条理」を実感しているのが教育を受けられない、運
動ができない、自分の描く未来に一歩も進めない状況に陥った子供たちかもしれ
ません。人間はいつかどこかで必ず不条理に遭遇します。それも予期せぬ時に、
若い時に遭遇する不条理が果たして吉と出るか凶と出るか個人差はあるでしょう。
カミュは幼い時に父を第一次世界大戦で失い。母親の実家、祖母の家で暮らします。
貧乏、苦学の末に大学を卒業してジャーナリストになるのです。


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 この「不条理」という言葉、新型コロナウイルスで普段と異なる生活を強いられてい
る会社員、STAY HOMEで家事から逃れられない主婦、学校へ行けない子供たち、
皆が心の奥底で実感しているのではないでしょうか。
世界は不条理である。日頃気づかないこの不条理を今、強制的に世界中の人に
可視化している。それはある意味、有難いことかもしれない。

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