雑木の庭-月陽亭

.26 2017 comment(0) trackback(0)
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春になると気になる庭が日南にあります。
知り合いに毎年オープンガーデンやってるから
その時一緒に行こうと話をしていたのですが、
知り合いが留守の時に新聞にオープンガーデンの
通知が新聞に載りました。
今日は行けなかった知人を案内するように書いてみたいと思います。

場所は日南市戸高2丁目、えんぴつ公園の横です。
近くで「きよひで内科クリニック」を開設されておられる
河野清秀さん宅なのですが「月陽亭」と呼ばれています。

この写真の水田の向こうに見える平屋建ての建物と緑が
今回訪ねた「月陽亭と雑木の庭」なのです。
クリニックの駐車場に車を停め、住宅街の中を歩いて
現地に向かいます。


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前面道路と庭の境はこんなふうに自然な感じに
作られています。道路側に咲くシラン(白、紫)や
ツツジがほどよく咲いていて新緑を背景に
実に優しい感じで出迎えてくれます。


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その続きで森の中へ誘うようにぽっかり口を
開けているのが玄関です。
左側の空き地が駐車場。


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さあ、それでは入ってみましょう。
表札もおしゃれですね。
少し段を登りながら入っていくと緑に包まれると
いった感じで雑木林に入り込んだ感覚です。
ですが自然に見えるように庭を造るというのは
実は大変にむつかしいことなのです。


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玄関口を振り返るとこんな感じで前の道路の向こうに広がる
水田と遠くの住宅が見えますがすぐ前に家がないのも
いいですね。
舗石の左右の下草に見えるのは実はリュウノヒゲです。
落葉雑木はコナラ、アカシデ、イヌシデ、ヒメシャラ、ヤマコウバシ、
シラキ、エゴノキ、ヤマモミジ、カマツカ、ハナミズキ、ナツツバキ、
アオハダ。常緑の雑木はモチノキ、ヤブツバキ、アラカシ、シラカシ、
モッコクと実に多彩です。


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玄関も実にシンプルで落ち着いています。
森の中の家を訪ねるといった感覚ですね。


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玄関の左側はこんな感じで行き止まり、
多分ここには和室があり、お茶が立てられるように
設えられているのではないかと思います。


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庭先につくばいが設えられています。

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玄関右側の小道を進むと庭の中心部に入ります。

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4月の太陽が、新緑の間から木漏れ日になって
降り注ぎます。


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居間の前に設えられた小さなテラス。
なんとも心地よい空間です。

ここに座って庭を眺めていると中から
奥さんとお手伝いの方がコーヒーとお菓子をだして
振舞っていただきました。

私はふと2週間ほど前の私の家の桜のことを思い出し、
奥さんに「これらの木々は2週間前までは葉がまだ
出てなかったんでしょう。」と尋ねると「そうなんですよ、
実はね、主人と学会に出かけて帰ってみると
庭が見違えるように新緑でいっぱいになっているんですよ。」
毎年のことだけれど驚かされるのだそうだ。
私は、空を見上げ葉が全て落ちた冬の風景を
思い浮かべた。冬の日差しが葉を落とした木々の足元に
降り注ぎ、今とはまるで異なる燦々と日の落ちる庭が
ちらりと頭をかすめた。


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さらに小道を進むと最奥部に至るのだが、右側は
道路との境界であるが、そこにはカシの木などの
常緑樹が視界を遮っていた。
庭の中心部には誠に小さな川が流れていて
それもまた心地よく、流れの岸辺で黄色い山吹が
花を咲かせていて如何にも自然な趣なのである。


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小道を振り返ってみる。玄関口から入ったところに
赤い花が見える。ミツバツツジ?ヤマツツジ?
花は鈴なりではなく、枝を上まで伸ばした先に
少しだけ花をつけているのだがそれもまた
風情がある。

不思議だと思いませんか?
庭=花のイメージでいると全く期待を裏切られます。
ここには、花が少ないのです。でもポイントポイントには
必ず花がちょっとだけ咲いています。
森の中の静寂といいますか、見に感じるのは
ひたすらに新緑の癒しなのだと思いました。


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庭の最奥部にはお客さんを出迎える席が設けてあります。
これもおしゃれですね。


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庭の木々の特徴は下枝を極力払って枝を上へ上へと
広げること。前回来たとき、ここを設計された
久富作庭事務所の方からいろいろ聞きました。
剪定する枝は根元からきっちり切るとそこに枝があったように
見えないのだそうだ。とにかく足元を涼やかに
設えること枝は上で広げること。つまりすべての木々が
ここではパラソル状に設えられているのです。
剪定の造園業者さんはと聞くと、普通の方に任せると
コテコテの樹形にされるので、うるさく指導されるのだそうです。


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なんで床面がこんなに爽やかかというと全てこれらは
リュウノヒゲで覆われているからです。
帰り際に玄関にいらっしゃった河野先生にリュウノヒゲの
ことを聞いたら、「夏場が大変です。枯れないように
水やりをしたり、秋には落ち葉を取り除いたり、とにかく
始終気を使います。」とのことでした。

これは考えただけでも大変な庭なんです。
でもよく維持していらっしゃる。
雑木の庭を自然に保つためには不自然なことを
裏でたくさんやらなければならないということです。
なかなか考えさせられますね。


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空を見上げてみた。新緑の葉が上空を覆って
この間越しに柔らかな春の日差しが庭に差し込む。
多分、1年中でこの時期が一番美しいのだろう。
河野さん御夫妻は自分たちが毎年感じている感動を
いろんな人たちにも見てもらって感じて欲しいと
思ってオープンガーデンを毎春実施されておられるのだろう。

前回、ここを訪れて庭の概念が大きく変わった。
自分の家の庭を眺めて、大きすぎる桜の木を
恨めしげに眺めながら、でもこの桜の木ありきで
雑木の庭のイメージで自然な感じの庭にできないかと
いろいろ工夫してみた。木々の剪定は足元の枝を払って
上に伸ばすこと、一定の範囲の中で自然のままにしておくこと
などなど。だけど未だ道遠しであるが、日々庭と顔を突き合わせて
生活しているということは結構手間暇かかるけれど
幸せなことかもしれないと思うようになった。


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毎回、この庭は多くのことを教えてくれる。
家と庭が一体になって、日常の生活環境を支えてくれる。
そうした中に自分がいて、屋内では文学や音楽、
写真や料理。そんな日常の一つ一つが私を支えてくれる。
なかなかいい人生ではないか。(昨日は、朝から雨で
インターネットに接続できず、イライラしていた。
今日は晴れて、インターネット接続が叶い、気分が良い。)




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