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1月の読書会

.27 2017 読書 comment(0) trackback(0)
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久しぶりに「ありんこ文庫」の夕景を
撮してみました。

ここは5年前に急死した弟の部屋に残された
本を移設した文庫なのです。
最近紹介している私の作る小冊子の最後のページには
必ず「ありんこ文庫」と表示しています。

正面扉の向こう側は3年前に亡くなった妻の部屋で
妻は生前、ここで革を使って知り合いに頼まれたバッグ類を
作っていました。小物や雑貨の制作を含めて「工房ありんこ」と
称していました。

そして手前左側が私の部屋。ここは3年前に
「建築工房ありんこ」と名づけて
一級建築士事務所登録をしました。

私は、そうこんなふうに死者に囲まれて
日々を暮らしているのです。
死んだものは還りませんが、
小さな冊子を作れば「ありんこ文庫」を
木工雑貨を作れば「工房ありんこ」を
名乗ります。そうやって今でも死者とともに
生きています。
ただ私自身の「建築工房ありんこ」は
いつまでも暇なままです。


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今年最初の「読書会」は「昨年1年読んだ本」が
テーマ。
私は色々読んだ中で
一つの括りを「随筆」としました。自分が「はがき随筆」を
始めたことが契機なのですが、
随筆を過去に遡った時、二人の人物にたどり着きました。

一人は先日紹介した「清少納言」です。
これは先日、冲方丁の「はなとゆめ」で紹介しました。
日本最初の随筆の誕生秘話ですね。

そしてもう一人が「正岡子規」です。
これは近代文学で多分最初に表された随筆ではないかと
思うからです。新聞に掲載することで一般の人を
啓蒙した功績は非常に大きいと思います。
中でも「墨汁一滴」「病牀六尺」は
書くということの意味を考えさせられる作品です。
正岡子規のことを書いた本は
司馬遼太郎の「坂の上の雲」
伊集院静の「ノボさん」
「ノボさん」が素晴らしいのは正岡子規と表裏の関係で
夏目漱石を描いていることです。
夏目漱石のことが正岡子規の影から
浮かび上がってくるのです。
不思議な気がします。


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最近、「歴史」について考える機会が多いのですが
ありんこ文庫の中の司馬遼太郎の作品群の中から
「春灯雑記」「手掘り日本史」という非常にマイナーな
本を読みました。歴史というものの捉え方が非常に
面白く、なにか腑に落ちるといった小作品で、なんだか
目からウロコがたくさん落ちていった気がします。

最期に最近読んだ「歴史」についてのいい本を
紹介しておきます。


それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤陽子(東京大学文学部教授)

喫茶店Teteでたまたま手にしてちらりと目を通しただけなのだが気になる本だった。しばらくして日南の本屋さんでその文庫本を見つけてすぐに購入した。レンタルDVD、CD,漫画を主にしたその片隅の文庫本の中に置いてあった。甚だ異質である。私のために置かれていたのだと勝手に思い込んでいる。

なぜ、この本に心惹かれたのか。作者の加藤先生は東京大学で文学部の3,4年生、大学院生に日本近現代史を教えておられる。授業をやっていく中でこの年代では教えるのに遅すぎると感じ、危機感を覚えられたそうなのだ。そこでなんとか中学生や高校生に授業をしたいということで実現した結果をまとめたものがこの本なのです。対象となった学校は神奈川県の名門私立校栄光学園です。授業は冬休みの5日間。生徒は中学1年生から高校2年生の17名。ちなみにこの学校は偏差値が高く、1学年180名の内50名ほどが毎年、東京大学へ進学している優秀な学校です。

内容は日清戦争から日露戦争、第1次世界大戦、第2次世界大戦と日本の近現代史の中でも外交、戦争を非常に多角的に見ています。学生相手だからレベルを落として語られているかというとそういうものではないのです。内容はかなり専門的ですが、教える側がうまいと言うしかない。生徒に質問しながら、授業は進行します。多分この授業のために引用された資料は膨大なものになるのだろうなという気がします。この本は2010年小林秀雄賞を受賞しています。

歴史の各ポイントポイントでその当時の人々がどう考えていたかということを一般人、知識人、政治家それぞれの視点で見てあり、また敵国やヨーロッパ諸国、アメリカがどう考えていたか、当時の諸外国の外交戦略や事情はどうであったかなど、非常に多角的です。繰り返し読みたい本だと思います。

昨年、娘と歴史の話をする機会が非常に多かった。彼女はとりあえず司馬遼太郎の歴史小説を読み始めたので、戦国時代、安土桃山時代の読むべき本を教えました。その後、江戸期は飛ばして幕末から明治初期、これもあれこれ読んで、現在「坂の上の雲」を読んでいるそうです。その後、読むべき本にこの本を薦めようと思っています。




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