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はなとゆめ

.13 2017 読書 comment(0) trackback(0)
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久しぶりに最近読んだ本を紹介しましょう。

最近、はがき随筆などを書くようになり、随筆の起源に興味を持っています。昨年読んだ
「のぼさん」の正岡子規の病牀六尺なども現代文学のなかのまさに随筆の走りのようなものであったかと思います。がもう少し時代を遡るとき、随筆という未知の分野を切り開いた女性がいます。清少納言です。そして作品は言わずと知れた「枕草子」。学生時代にほとんどの人が読んでいるのに一体この枕草子はどういう時代背景で作者は結局のところ何を書いていたのか、ほとんどの人は知らないのです。


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梅原猛氏の作品の中に「清少納言の悲しみ」というのがあります。以前それを読んで非常に驚いたことがあります。哲学者というのは歴史の隠された真実を実に明快に暴いていくのだと感心した覚えがあります。再び読んでみたいと思っていた矢先、志布志の本屋さんで見ていた文庫本の表紙に清少納言の文字を見つけ手に取りました。そういえば、冲方丁は「天地明察」、「光圀伝」と歴史小説をよく書いています。この本の題が平仮名で「はなとゆめ」とあります。理由分かりますか。そう、彼女たちが平仮名文字を初めて使い、広めていったのです。冲方さんよくぞ書いてくれた。そう思い、一挙に読んでしまいました。
いい本でした。こういう平安時代の歴史小説ってほとんどないんですよね。まあ、もっとも同時代の源氏物語を書いた紫式部がいますが、これは別格です。


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さて、枕草子に隠された真実とは何か。あんまりしゃべるのもなんですが、概略をお話します。平安時代の藤原氏の全盛期といえば、歴史で習いましたよね。そう藤原道長です。この枕草子が書かれた時代がまさにその時代なのです。が実は藤原道長があまり力を持たなかった時代から始まり、全盛期に至ると言ったほうが正しいのでしょうか。時の帝は一条帝、藤原氏の最大権力者は長子の藤原道隆。道隆は一条帝の中宮に娘定子をあげます。中宮定子は美しく賢い女性であったようです。一条帝にも愛されます。この中宮定子に使えるのが清少納言です。中宮定子は仕える女房たちの才能を引き出す能力があったようです。ここで清少納言は才能を開花させます。当時の女房衆と興味の持ち方がちょっと違ったようで、定子はこれを面白がり、ある時、何か書いてご覧と弟伊周が帝と中宮に上程した上質の紙を賜ります。後にこの上質紙に書かれた随筆が枕草子なのです。ところがこの藤原道隆一家が全盛期を誇った時期は短く、まもなく道隆は病死します。その後、主だった人々が病に倒れて、残された権力者は道隆の長子伊周と道隆の年の離れた弟道長との権力争いが起こります。最終的に道長が権力を握り、伊周は太宰府へ流されます。そんな中、中宮定子は帝との間に長女、長男を産みますが、中宮定子は保護者を失い、道長の執拗な妨害工作にあいます。定子を皇后という称号に上げて、自分の娘でまだ幼い彰子を中宮にあげます。定子は最期には二女を産んですぐに亡くなってしまいます。枕草子はそうした四面楚歌の中で書かれていたのです。枕草子にはそうした血なまぐさい政争は一切書かれていませんが、所々にそうしたことを示唆する内容があちこちに埋め込まれています。清少納言は中宮定子のサロンが如何に知的でおしゃれで魅力的であったかを表現することで定子という優れた中宮を称えています。そうすることで時の権力者となった藤原道長に真っ向から歯向かっているのです。

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中宮彰子のサロンには道長が権力に物言わせて一流どころの女房を集めます。その一人が紫式部です。紫式部は紫式部日記の中で清少納言をかなりてひどく批難しています。枕草子に書かれてあることは嘘だと言います。つまりこういうことです。あれだけ大変な事態なのに、定子が終始笑って楽しく過ごしているはずがないのに清少納言が書く世界は優雅で楽しく、気の利いた歌や会話にあふれた世界になっている。定子の死後、清少納言の手から放たれた枕草子は中宮彰子とそのサロンの女房たちを苛立たせたのでした。史実から言えば中宮定子の人生は不遇としか言いようがありません。枕草子はその書き換えを行うことで見事な復讐を果たしていると言えます。

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もう一度、読みたいな。枕草子

春はあけぼの、やうやうしろくなりゆく山ぎは、
すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
 夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ蛍飛び
ちがいたる。雨などの降るさへをかし。
・・・・・・・・・




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