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花火大会

.12 2012 日記 comment(0) trackback(0)
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今朝午前中、花を持って墓参りに行く。お盆前ということで訪問者も多く、どの墓もこぎれいになっている。この前来た時草刈りをしていたが、その草が墓所にたくさん入込んで、まずこの清掃に追われた。

墓参りから帰ってしばらくしたら亡くなった弟の高専時代の友人が3人鹿児島や宮崎からお参りに来てくれた。無理に昼食に引き止め、昔の話を妹と聞いた。「弟は中退したけど皆さんはちゃんと卒業されましたか」と問うと、「僕らは彼より早く辞めました。」「きっと自由を早く手にし過ぎたんだね」「そう思います。当時の高専は自由で、初めて親元を離れた僕らは、学校をさぼり好きなように生きていました。」「弟は高校卒業の資格まで取って退学、浪人して大学へ行きました。家族は当時、本当に心配したものです。」「だけど、楽しい毎日でした。」悪友3人を弟の文庫へ案内した。競馬関連の書物を前に「大阪に行ったとき一緒に阪神競馬場へ行きましたよ。」

こうして弟の友人たちに弟の話を聞くのは、何より救われる。早く逝ってしまうのは全く親不孝者なのだがこうして友人たちの語り草に立ち現れる弟の人生は決して不幸ではないように思える。それが何よりの救いだ。


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長い間、弟の死を母に伏せていた。ずっと反対し続けていた妹が昨日口火を切って弟の死を告げた。母は「知らなかった」と号泣したが、一夜明けた今朝、弟の写真を見て「これはだれか?」という。妹が又一から説明をする。母はまた泣き始める。夕方、昼寝をして起きて縁側に下げられた提灯を見て「これは誰の供養か?」と私に問う。私が又一から説明する。

悲しいというよりこれはまるで賽の河原の石積みである。説明をする方も、毎日悲しい話を聞かされる方も。明日から三日間耐えられるのだろうか。


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今日は串間の花火大会。母がお世話になっている施設は港近くの高台にあり。毎年、花火の日に家族が訪れて一緒に花火を鑑賞する。その日は1階周りにテントが張られ職員やボランティアが夜店を出している。

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親戚の家族が我々のために席を取ってくれていた。田舎の花火大会は規模が知れている。1時間ほどで終わったが、それでもこうして不自由な体で目の前の花火を見入っている。海が近く潮風が心地よい。

田舎にいると老いの光景がいつも目の前にある。都会ではあまり目にしない死や老いがいつも身近にある。お年寄りたちの背中越しに見る花火はいつもより刹那的だ。


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大きな花火が上がる。ちょっとずれてドーンと音が伝わってくる。潮風に花火の煙が流されていく。身近に聞こえる家族たちの賑わい。黙って花火を見つめる車いすのお年寄り。続けざまに花火が打ちあがる。そして静寂。


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