椎葉釣行 その3

.25 2017 渓流釣り comment(2) trackback(0)
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三日目の朝、杉田くんはいつものように5時に起きて
下の川に釣りに行った。
私はすっかり釣る意欲が湧いてこない。三日間こんなに
晴天続きだと全く釣れないのだ。だから開き直って
心のどこかが「もういや嫌だ」とダダをこねている。

でも良くしたもので、晴天であればできることがある。
私は一眼レフを抱えて朝の散歩をすることにした。

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山の朝は周囲の山々の山頂からやってくる。
それも西の山だ。
まず西の山の一番高い頂きが朝日に照らし出される。
それは時間を追うごとに次第に下方に下がってくる。
わずか1時間ほどの間に周りの感じがすっかり変わってしまう。

東の山々の方がここでは目覚めが遅い。
それでも、朝日が山肌を舐めていくさまは見事なまでに
美しい。山肌の新緑が一瞬光り輝く。
高い木々の木の間越しに朝日が差し込むさまは
神秘的でさえある。

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西の方を振り返るといつのまにか朝日が道路のそばまで
降りてきている。ここでは朝はこんなふうにやってくるのだ。

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東面は逆に朝日が東の山を越えない限り
日が差さない。が東の山から朝日が顔を出した瞬間、
風景は一変するのである。

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そうして宿への帰り道、道路際まで降りてきた朝日の
中を歩いていくのは誠に心地よく、ただの早朝の散歩が
一段と価値あるように思えるのである。

こんな朝があってもいいよね。

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この川の口集落には民宿が3軒ある。
我々がいつも利用する「上村」は宿泊だけで食事はついていない。
もう1軒の「丹野」は食事付きだが1泊が条件である。
我々はどうしても2泊の釣りになるので、料理を厭わず(楽しんで)
「上村」の利用となる。始めの頃は杉田くんと「丹野」を
何度か利用したが、最近はほとんど行っていなかったのだが
谷山さんに是非一度、「丹野」さんを経験して欲しいと思い、
前回ぐらいから1泊のお願いをしていた経緯がある。

ところが今回、丹野の奥さんがその日仕事で宿泊は無理なので
最終日の朝、朝食に来ませんかとご招待いただいた。

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朝、8時。3人揃って「丹野」にお邪魔する。

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丹野さんはいつ来てもお庭がきれいで、季節ごとの草花が
宿泊客からも好評で、ほとんどの客はリピーターになる。

丹野さんの宿泊に対するコンセプトは単なる民宿ではなく
外から来られるお客さんとの会話を楽しむことや遠来の客への
山のおもてなしの心とでもいうのであろうか、
別れの時、なにか去りがたい想いを客に感じさせるのである。

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庭を通り抜け、玄関横を見るとウエルカムボードに
4人の名前があり、「お帰りなさい」と書かれてある。

実はこの日もうひとり招待客がいた。この4月から
この椎葉村へ地域おこし協力隊として赴任した村上さん。
移住コーディネーターとしてこれから空き家バンクの整備を
したり、椎葉村への移住者を募ったりする仕事を期限3年で
行う予定だとか。もちろん、本人にここでの生計の道が
見つかれば3年後ここに移住してここで生活する可能性も
あるわけだ。
彼は現在は上椎葉のシェアーハウスに仲間と住んでいるが
この川の口の15年ほど前にここを出て行った方の家を
手直ししながら住んでいくことで自分の仕事を続けたいと
考えている。

この日、我々3人が来るというし、3人とも建築の専門家と
いうこともあり、一緒に朝食をどうですかと丹野の奥さんが
お声をかけられたのであった。

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いつも感心するのは、奥さんの庭づくり、ご主人の
薪積みへのこだわり、家も庭も遊び心に満ちていて
楽しい気分になる。

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入ってすぐの玄関土間からの外の眺め

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オープンキッチンのバックは大きな窓になっている。
そのすぐ外には緑の壁があったのだが、熊本地震の
影響で一部ひび割れや石垣の崩れなどがあり
大々的に大工事が行われ、巨大な擁壁が出現した。
遠くから見ても威圧的で、御夫婦の悩みはこの巨大擁壁を
如何に緑化して見栄えの良いものにできるかである。
私も今後相談に乗っていきたいと思っている。

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地域おこし協力隊の村上さんと話していたら、
先日の青島の天空カフェ ジールでのタイニーハウスの
見学会とそのあとの上映会、座談会に来てM君たちと
話をしたとのことだった。私は早めにここを立ち去ったので
会えなかったがこういう縁もあるのかと少々驚いた。

早速、市木のM君へ村上さんと椎葉で一緒に食事をしていると
電話をする。

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朝食は見栄えも味も最高である。まるでホテルの
朝食のように豊かな気分にさせてくれる。
実に豊かな時間を過ごせた。

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楽しいひと時はあっという間に過ぎました。
再会を約して別れ、一旦上村へ戻り、
片付け、荷造りをして出発。
上椎葉でお土産を買って帰宅の途につく。
日向の手前で谷山さんと別れ、夕方には
串間に帰り着いた。

次回は秋、9月に行く予定である。




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椎葉釣行 その2

.23 2017 渓流釣り comment(0) trackback(0)
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二日目,朝から快晴。東の空がほんのり明るくなる。
東の空にある薄雲に朝焼け。

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一足先に、杉田くんは釣りに出かけた。
谷山さんはまだ寝ている。昨夜は10時前に寝た。
こんな健康な生活は久しぶりだ。

私も朝飯前に釣りに行く。

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川の口集落は椎葉ダムの西側上流、小崎川の源流地帯だ。
西側にそびえる山々は熊本県との県境で球磨川と耳川の
分水嶺になる。
この時期、川の口は田植えの時期で既に水田には水が張られ、
田植えを待つばかりになっている。

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橋を渡り、道脇から獣道のような急な斜面を腰を落として

足元に気をつけて降りていく。谷底に着くと竿を伸ばし仕掛けを
付け、餌のミミズを針にかけて、渓流に投じる。

渓は谷が深く、上部を木々の葉が覆い尽くす。
遠くに朝日の明るさを感じながら、釣っていく。

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渓流を歩くと目の前に次々に魅惑的な淵が連続して
現れる。好天続きで水量が減っているせいか
今ひとつ、当たりがない。

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ようやく1匹釣れる。

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谷底から空を見上げる。
木々の間から青い空が覗く。
空に薄雲が流れる。

日常をはるかに離れて、大自然の真っ只中にいる。
青葉のそよぎと流れる雲が緩やかな時間の流れを
感じさせる。
いつもとは異なる大自然の時間の流れに身を任せ
太古からの雄大な時の流れが私を遠い世界へと誘う。

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この谷は最上流の滝で行き止まりになる。
朝日が木々の合間を縫って滝の周囲の岩に
差してくる。

納竿し、朝食に帰る。


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朝食は谷山さんが作ってくれた。
宿に帰るともう用意してある。
お腹がすいた。

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朝食後はなんとなくゆったりした気分でくつろぐ。
濡れたウエーダーや靴を天日に干し、
釣った魚を背開きにして、一夜干しを作る。

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杉田くんはまた釣りに出たが、私と谷山さんは
渓流の周辺に筍を採りに行った。

午後、私が釣りに出かけようとしていると
谷山さんが火を起こし、筍を焼き始めた。
これは味噌を付けて食べると最高に美味しい。

私が釣りに出かけた後、谷山さんは家主に
なり代わり、五右衛門風呂を薪で沸かしたのだそうです。
釣りに来た私にすれば、まあなんと・・・・と驚きなのだけれど
谷山さんにすれば、日がな一日のんびり田舎生活を送ると
いうことで不思議でも何でもないんでしょうね。

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さて二日目の午後の釣り。
どこへ行こうか。天気が良いので日差しの当たらない
昨日と同じ場所に向かう。
川へ下りて、釣り始め、橋の下をくぐった時、
橋の下を見てぎょっとなる。
スズメバチの巣である。

後で、地元の方に話を聞くと近所に設置されたミツバチの巣が
昨年はスズメバチに襲われたのだそうです。

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午後の釣りはやはり厳しかった。天気続きで
気のせいか川の水かさが少し減ったような気がする。
結局、この日の午後、釣れたのはヤマメ3匹

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川を遡った先に待っていたのは滝だった。
夕方の6時近くになっていたが大物がいるに
違いないと粘るが釣れたのは小さなヤマメだった。

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宿に帰ると私が作るメインディッシュを除いて
全て谷山さんが作ってくれていた。
夕食を食べ、風呂に入り、10時頃まで
谷山さんとあれやこれやいろんな話をしたが
今では何も覚えていない。

2日目はこうして終わった。





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椎葉釣行 その1

.20 2017 渓流釣り comment(0) trackback(0)
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2回にわたり長々とブログを綴ったものだから、皆さん
そろそろうんざりしているのでは。

ご心配なく、今回は渓流釣です。
渓流を吹き渡る爽やかな5月の風に癒されてください。

毎年恒例の春の椎葉釣行。スケジュールの調整がうまくいかず、
本来ならウイークデーを狙うところ、土、日、月の週末
3日間の実施となりました。
そこで、いつもなら初日、尾前渓谷に直行するところ、
土曜日で入渓者が多かろうと予測して直接川の口へ
向かうことにしました。

今回も諸塚を過ぎ、上椎葉へ20Kmほどの地点で
工事のための交通止めに遭遇、少し遅れて
上椎葉着は11時15分。いつものお店でお蕎麦を食べて
川の口を目指しました。

メンバーは福岡から大学同期の杉田さん、
宮崎県国富町から会社時代の先輩谷山さん、
そして私の3人

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川の口の民宿上村に投宿。遊漁券を購入するため
漁協役員の丹野さんのお宅を訪ねる。
その日、昼頃訪ねる旨、事前にご主人に連絡しておいたら
玄関でおばあちゃんが遊漁券を用意して待ってくれていました。
その日は朝からお茶の葉を摘んでいて、ご主人はそれを
工場へ持っていったのだとか。

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好天に恵まれた午後というのはあんまり釣果は
期待できません。他の2人はさっさと支度を終え、
それぞれ、渓に降りてゆきました。

さてどこへ行こうか。私は歩いて上流へ向かう。
木々に覆われた渓流は昼でも薄暗い。
橋のたもとから渓流へ下りて、仕掛けを竿先に
結び、目の前の淀みに餌を投じる。
心震える一瞬である。

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だが、入渓した場所は狭く、上部に木の枝が張り出していた。
どうにもやりにくいのでやりたくないが小さな淵の手前を横切り
反対側の淵の際に立って、淵に餌を投じた。距離が近いので
警戒されてまずは釣れまいと目印が下へ流れ出すのを目で追った。
と、目印が突然沈む。えっ、かかっている。そんな?
慌てた。暴れる様子からするとそこそこ大きい。
背中に手をやり、タモを左手に持って、竿を立て静かに引き寄せる。
その間、魚は右に左に暴れる。慌てず、そーっと、
タモですくい上げる。

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うわー、綺麗な朱色のヤマメである。大きさも23cmほど。
いきなりこんなのが釣れてしまった。釣ったというより
釣れてしまったという感覚である。がなにより嬉しい。

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小さな落ち込みが連続する。その落ち込みに根気よく
餌を流すとそこそこのサイズが釣れだした。

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日が西に傾き緑の木々の間から渓流に西日が
差し込む。涼しい風が流れに沿って吹き渡る。
釣りの手を休め、通り過ぎた渓を振り返り、
上流に目をやる。すぐ上に小さな滝が見える。
心はもうそちらの方へ行っている。

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その小さな滝壺へそーっと近づき、餌を投じる。
いきなり、強い引き。手応えが大きい。右に左に
魚は暴れる。背中からタモを外し、水辺に近づく。
竿を立てて魚を引き寄せ、タモですくい上げる。
大きい。24cmである。手に持ってみる。いい手応えである。

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時間は5時を回っている。6時までには帰りたい。が
この上流にまだポイントが残っている。
鬱蒼と生い茂る中に入る。
小さな落ち込みがある。ここは昨年、雨後に10数匹
いれぐいした場所なのだが、天気続きで水が少なく
泡立つ部分が小さくなっている。
ここで粘って数匹を釣った。

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5時半、納竿。
民宿へ向かう。ビクが重い。
足取りが弾む。初日にしては上出来である。

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民宿へ戻ってビクを開け、釣ってきた魚を
広げてみる。
数は9匹と少ないが20cm以上が4匹
まずまずかな。

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二人共、先に帰っており、谷山さんが夕飯の支度の
大半は用意してくれていて、メインディッシュを
私が料理すれば完成である。早速、作り始める。

さあ、できた。
ビールで「乾杯」グダグダといろんな話をしながら
夜は更けていく。

外は一面の星空。ここは街の灯がないため、星空が
綺麗に見える。水田の蛙の合唱がうるさいぐらい。
いつも聞こえる渓流のせせらぎが蛙の合唱で
かき消される。

あした天気になーれ
(本当は雨が降ったほうが釣れるんだけれど・・・)




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椎葉釣行 2日目

.28 2016 渓流釣り comment(0) trackback(0)
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昨夜は飲み過ぎた。夕食を先に食べたので五右衛門風呂に
入るのも遅くなった。何時頃寝たんだろう。
夜中の3時頃目が覚めて、一瞬どこに寝ているのかわからなかった。
最初に頭に浮かんだのは、釣った魚を捌かなくてはだった。
ふらつきながら台所に行くと
なんと2匹ほどが開きになっていて、もう一匹は背中に刃が当たった状態の
まま、残りのヤマメは流しに転がっている。
一体何があればこうなるのだろう。
どうも魚をさばいている時に眠気に襲われ、作業を放り出して
布団に寝たらしい。まるで記憶がない。

魚をさばき終わって網籠に干して再び寝た。

その日早朝の釣りは辞めて食事を少し早めにして
それから釣りに出ることにした。
空は曇っているし、雨模様だからそんな風にゆっくりスタートである。

谷山さんが朝食を作っている間、カメラを持って
ちょっと朝の撮影。


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霧が川筋に沸き起こり移動する。
風景が刻々と変化する。
小崎地区の最深部川の口集落の朝の風景である。
早いところで稲刈りが始まっていた。
山あいに点在する水田の稲穂が黄金色に輝いている。


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道路の右側、この丘の上の屋根が見えているのが
民宿「上村」だ。
この時期、一面に彼岸花が咲き誇っている。


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民宿の全景、手前が納屋で奥が母屋
車は縁側まで乗り入れ、荷物はそのまま
運び入れる。

山々はまだ秋の装いには程遠いのだが
栗の木の下のイガや柿がわずかに
初秋の香りを発している。

朝食はなんと谷山さんが鮎を冷凍して持参
それを焼いて身をほぐし、鮎飯を作ってくれた。
「どや、うまいやろう」「小骨が・・・」
「アホ、いちいち出さんと噛み砕け」
「・・・・・美味しいです・・・・・」


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行ってみたい源流があった。今日はそれをせめる。
出がけに小雨が降り出した。雨具を着用して
上流の支流に沿って山道を登る。汗が噴き出す。
砂防を二つ越えた。


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数年前に山崩れがあった場所の下を通る。

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細い流れの小さな落ち込みに釣り糸を投じながら
少しずつ登っていく、小さな滝が連続して
上にはもっとましな淀みがあって
そこに大魚が潜んでいるとワクワクしながら
崖をよじ登る。


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さあ、もう一つ上に緑が見える。
頑張ってみようかと思ったが
帰りの時間が気になる。
今回はここまでにしておこう。


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登ってきた下を振り返る。
「ゲッ、結構登っている」
さあ、こんどはこの来た道(崖)を降りねばならない。
「南無さん」
釣り人というのはこんなふうにアホなのです。


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まるで山登りしていた気分である。帰りに
下の砂防の下の流れまで崖を降りて釣り下った。
里の稲田が美しい。

昼過ぎに宿に帰ると谷山さんがカレーを作って
くれていた。「ひょっとしてこのカレー鮎飯にかかってます。」
「アホ、文句言わんと食え」

食後二人で民宿丹野へご主人の圭之さんを訪ねる。
前回、コーヒーをご馳走になった時、サウナを作りたいという
話を聞いていたので、自分の建築資料の中から捜して
サウナの本を持ってきた。中身をざっと説明して
この本貸しておくから勉強して立派なサウナを作って
ください。できたらサウナに入りに来ます。


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午後の釣りに出る。
雨具は暑いので持たずに出たら
釣り場で雨が降り始めた。
仕方ないので大きな木の下で雨宿り、小止みなったところで
再び釣り始める。

実は午後の釣りはすぐ近くで宿の真下から入る釣り場が
あるのだがそこは上流に大きな滝があってその上に行けない。
では上流から下ったらいいではないかと思うのだが
上流の橋の下に降りて下流を覗くと大きな落ち込みがあって
とても降りることが出来ない。谷は深い。
ウーン、ここへ降りていく道はないものか。
いろいろ探したら、それらしい道を見つけた。
転げ落ちそうな急な道というか獣道のようなものだ。
降りてみる。
巨大な窪地のようなところに出た。
上流の崖の中央から滝の水が吹き出している。
その流れは小さな落ち込みを作りながら
段々と下へ下っており、最下流は例の大きな滝の上になっていて
上も下も川沿いには出ることがかなわない。
しばらくここで釣る。ここはいい。春先はきっと釣れそうだ。
夕方、5時まで釣ってまた崖をよじ登り戻る。


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この日、午後出がけに宿主の輝基さんがやってきた。
谷山さん「俺、風呂沸かすわ」と宿主に代わって
五右衛門風呂の風呂焚きを始めた。

私が帰り着いたとき、輝基さんは帰ったところだった。
この日の夕食は私が作る予定だったのだが、
材料も料理も分かっていたので谷山さんが
作っていてくれた。それになんと輝基さんに
夕食を勧め、ご馳走したのだそうである。

私とすれば釣りに専念できるので嬉しくはあるが
いやーなんというか、「あんた、何しに来たの?」
まあいいか、谷山さんは実は「恐怖の専属料理人兼風呂焚きおっさん」
なのであった。こんな山の中で数日過ごすのに
なくてはならない人物なのでありました。


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翌朝、早く起きて上流を釣ろうと支度をして宿を出た。
もう少しで目的地というところで「あれ?竿がない」
なんと釣竿を持たずに来てしまった。


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宿まで戻り、釣り竿を持って再び・・・と思ったが気が萎えた。
真下の川で釣ることにした。カメラも電池が切れていたので
置いて出た。
釣り始めて、冷蔵庫に入れておいたエサ箱のミミズが少ないことに
気づいた。上流の滝のところで餌が切れた。
帰って朝食。食後、冷蔵庫を覗いた谷山さんが
「おい、ミミズが逃げ出しとるぞ」「えっ?」
箱に入ったものは封を切っていないので出ていないが
一緒にビニール袋に入れておいた餌箱から脱走した数匹が
冷蔵庫内を逃げ回っている。女性がいたら悲鳴が聞こえるところである。
大半はビニールの中だった。どうりでエサ箱の中のミミズが
少なかったはず。この日はついていない。


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輝基さんにまたお土産にナバ木を5本ずつもらった。
11月頃になると椎茸がわんさか出てくる。
楽しみである。

昼前に宿を出て、上椎葉で昼のお蕎麦を食べて
帰った。工事区間は事前に通行止めの時間がわかっていたので
今回はうまく回避できた。

昨年は春と秋に2回釣りに椎葉を訪れ、更に竹の枝尾の夜神楽を見に
合わせて3回訪れた。今年も都合が合えば又、夜神楽に
行きたいと思っているがどうなるかわからない。
行くのにとても大変な場所なのだが行ける限り
続けたいと思っている。

私にとって椎葉はひとつの深いトンネルの向こう側にある
「もうひとつの世界」なのである。この深いトンネルをくぐってくることで
帰ってきた私の日常世界が以前とは少しだけ違っている事に
気づけたらいいなと思っている。





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椎葉釣行 1日目

.26 2016 渓流釣り comment(0) trackback(0)
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いつも同じ所に居て小さな物語に耳を傾ける。
でも時々、遥か遠くの世界の物語に耳をすましてみたくなったことはありませんか。
まるで違った環境でまるで異なる小さな物語が実はいたるところに
存在しています。
旅の途上、列車の窓から見える山間の集落にも
海のそばを通る時に眼下に見えた小さな漁村にも
たくさんの小さな物語があるのです。
ただわれわれはそれらと関わるすべを持っていません。


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今年2度目の椎葉への釣りの旅
予定していた出発の日に台風がやってきて延期を
余儀なくされました。ただ釣りには時間制限があって
10月1日からどの川も禁漁期間に入ってしまうのです。
天気は少々悪くとも最後の週に出かけないわけにはいきません。

福岡の杉田くんが今回は都合が悪く
この春から新たに参加してくださった先輩の谷山さんと
調整して26日月曜日、椎葉へ向かいました。


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途中、川霧が立って水田の畦にたくさんの彼岸花が
咲いている箇所を通りました。思わず道脇に車を停め、
撮影しました。川霧って本当に幻想的なんです。
畦のカカシや彼岸花もとても綺麗でした。


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しばらく進んだところで携帯が鳴りました。
車を停めて出てみると先行の谷山さんから
「おい、今どこや?」「諸塚の手前です。」
「また、こないだんとこが工事中で通行止めや。11時にならんと
通れんぞ。30分以上の待ちや。それとも手前の道をそれて
迂回路の山道、走るか。」「ブルブル・・ご勘弁」
ということで走って諸塚を過ぎ、しばらく走ると


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トンネル手前で車が並んで待っています。
私の5台手前に谷山さんの車が見えます。
降りて挨拶に行くと新聞を読んで待っておられる。

もともと上椎葉の鶴富屋敷の手前の駐車場に11時集合に
していたのですが、ここで出会ってしまったので
上椎葉の手前から直接、椎葉ダムにあがり
そこから尾前に向かうことにしました。
入りがわからないというので途中で前後交代し
私が先頭を行くことになりました。


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尾前渓谷に到着したのは12時頃
早速、買ってきたお弁当を食べて支度をします。


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道脇の藪の中にアケビがなっています。
熟れて開いているので食べごろです。
ちぎって食後のデザートにしました。


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「谷山さん、アケビがなっとったよ」と声をかけて
見ると谷山さん川を見下ろしながら優雅に椅子に座り
弁当を食べていました。


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雨のあとで少し水量が多いのが気になりますが
少し濁り気味で空も曇っていい釣り日和かもしれません。
私は上流へ、谷山さんは下流へ

最初の一投はワクワクします。
前回学んだことですが、やはりこの時期の釣りは
淵よりも流れを丹念に釣るのがいいようです。
流れごとにポツリポツリとヤマメがかかりますが
一箇所で大量に釣れるなどということはなく
春の釣りに比べるとちょっと寂しい気がします。
が反面春に比べてチビヤマメは少なくなっています。

ひとつの小さな落ち込みと流れ、を釣り終わると
大きな岩を巻いてひとつ上の流れに入ります。
すると先に小さな滝が現れ、青々とした淵と流れが
見えます。一番ワクワクする瞬間です。
その刹那、釣り人は誰しも思うのです。
あそこにはきっと大物が潜んでいるに違いないと・・

そうやって上流へ上流へと誘われるように
流れを登っていって帰る頃になって
今来たルートをもう一度出発点まで戻らなければならないことに
気づくのです。


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夕方4時に納竿。来た道を引き返します。上椎葉の街まで
一旦戻り、谷山さんの車にガソリンを入れて、小崎へと向かいます。

椎葉への道は諸塚ー上椎葉間は正直ひどい道です。
離合できない道の連続でカーブが続くのでカーブミラーを見ながら
ハンドルを切っていきます。どう頑張っても時速40kmしか出せません。
更にその道は上椎葉ー尾前間でもっとひどくなります。
朝7時に串間を出て、途中30分の待ちがあったとは言え
尾前につくのが12時、尾前を4時に出て上椎葉を通り小崎の川の口に
着いたのが6時。とても年寄りが行くようなコースではありません。
カーブと狭い道が連続すると胃がよじれる気がします。
あと何年通えるかな。


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小崎、川の口の民宿「上村」に着くと輝基さんが
展望五右衛門風呂を沸かして待っていてくださいました。
顔を見ると目が腫れている。「どうしたんですか」
なんと蜂に刺されたのだそうです。
翌日、部屋にスズメバチが入ってきて慌てました。

今回の食事の分担は朝食と昼食は谷山さん
夕食は私。しかし、谷山さんゴソゴソと
自分で持ってきたメザシを焼いたり持参のきゅうりの
漬物や大根の漬物を出したりとまあ、マメにやってくれています。
夕食は簡単な回鍋肉と輝基さんにもらった野菜を
炒めました。

そしてなんと谷山さんが前に紹介した白鷹「秋あがり」を1本
持ってきてくれました。純米辛口、キリリとした口当たりで
美味しくいただきました。私、実のところ家にある同じ酒
まだ口を切っていないんです。
「秋あがり」二日で空いてしまいました。





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